中間テスト頂きます
Prologue / 1stQ〜3rdQ / 4thQ〜FinalQ / Epilogue
Fourth question
実習棟のとある教室の黒板の前、赤髪の生徒が何かを書いている。傍から見れば落書きをして遊んでいるように見えるだろう

「うーん…ちょい簡単すぎるか……?…っときたきた。」

書き終え、それを眺めると顎に手を当てながら少し唸るが人の気配を感じればすぐさま何事もなかったかのように立ち去り…

貴方が教室に訪れると黒板にはこんなメッセージが…

『鵜に袋を被せるとなになる?

  〇〇〇D になる

          黒猫団 』
最後に封筒に貼られたシールと同じ猫の顔シルエットのようなマークが描かれていた。

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フユは室内に入ると、きょろ…と周囲を見渡して、ふと黒板の文字に目をとめた。

「ねこです!」

た〜…っとゆるゆる駆け寄ると、問題らしき文章を眺めてしばし考える。

「…なぞなぞですね」

ふふっと口元を緩めると、メッセージの横にチョークでフクロウの絵を描いた。

「…あっ、ほかにもどなたか来ると、謎解きできなくて困りますね?」

ちょこっと首をかしげてから、いけなかった…とフクロウの絵を黒板消しで消しておいた。


「ふくろ、う、……ってことかな?」

シュシュは黒板の字をまじまじと見つめてそう言うと、人の気配を求めてまたウロウロと歩き出す。
途中で自分と同じようなことをしている誰かとすれ違えば、
ファイト!とエールを送ったりもするだろう。


アンネマリーは右手に持った赤い封筒でペチペチとリズミカルに左手を打つように弄びながら実習棟の廊下を歩いてきた。

「やー、思い出すの無理すぎて
どかーんと一発魔術でもかましてみたくなっ…」

入った教室の黒板を凝視した。
黒板に近づくとチョークで紙袋に鳥の足をはやした絵を描いた。

「う。ふくろ。…フクロウ?」

特に絵は消すでもなく。また廊下を歩いていく。

◆◆
Fifth question
「…誰もいないな?変装のまま歩き回るとか危険なことはもうしねえ…。
秘技!木を隠すなら森の中!生徒に紛れるなら学生服!!」

にひひ、とドヤ顔でトイレから出てくる小柄な黒髪の男子生徒。
男子の制服を着ていなければ女子と間違えそうなほど中性的な顔をしている。

「……」

ささっと周囲に人がいないことを確認すると廊下の掲示板にポスターを貼り付け、

「おおお!問題みーっけ!!ふむふむなるほどなーっっ!」

と、指を指しわざとらしく大きな声を上げた後、新たな問題を探す素振りで走り去る。
貼り付けられたポスターにはこう書かれていた。

『2゛10゛

 上の数字が表すものは?

 @〇〇

          黒猫団 』

やはり最後に黒い猫のシルエットが描かれている。


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「あっ、走ると生徒指導の先生が…」

フユは声を掛けるが、届かなかったようで黒髪の生徒は走り去っていった。
男子生徒が消えた方角を眺めてから、掲示板に貼られているポスターの辺りで視線を止める。

「2゛10゛…? …座標でしょうか?」

しばらく眺めて思案したのち、

「シューやメルメルはどうしたでしょうか…。……あ、ぶどうですね?」

急に答えが降りてくると、ポスターを眺めて瞬いた。
想像した答えに少し口が寂しくなって…


「なんか忘れてる気がするなー」

アンネマリーは呟きながら、荷物がほとんど入ってない鞄を肩にかけて廊下を歩いてくる。

壁に貼られた紙を見て、答えを導き出すと

「…部室棟?」

ポツリと漏らしてその場所に向かうことに。

◆◆
Final question
「ふーっ!これで最後だな!じゃ俺もゴールで待つかな!」

男はそう呟くとニッと白い歯を見せて笑い、颯爽とその場を後にした。

貴方がふと外へと視線を向ければ、校庭には白線で描かれた新たなメッセージが残されていることに気づくだろう。
そんな目立つ場所にいたのに誰も作業をしていた者の姿を見ていないという。
皆、校舎内で躍起になって探しものをしていたからなのだろうか?
少しばかり不思議な感覚ではあるがここはまず問題を解き、ゴールを目指してみることに…

『★最終問題
導き出した答えの、
数字に当てはまる言葉をならべかえよ。

@ABCD

この場所にて待つ。

              黒猫団』

最後にお決まりのように猫のシルエットが描かれていた。


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「若干怪しいが、行ってみるか」

チカはポスターの問題を解くと、今までの問題を思い返すように思考を巡らせ『部室棟』の方へと向かっていた。
途中校庭に書き出された問題文に自分の答えに確信を得て…


アンネマリーは校庭のメッセージを読むと

「へー。決闘かな?誰を待ってるんだろ」

間伸びした調子でつぶやいて、のんびり歩いていく…


「うへぇぇ…もうテストより頭使ってる気がするぅ…」

メルはぐったりとした様子で歩いていたが、校庭の問題を見れば手元のメモと見比べ、ぱちりと瞬く。
ほんの数秒静止したのち、にまっと口端をあげて

「待ってろぉ、猫猫団めぇぇ!!!」

握った拳をぶんと振って声をあげ、どこか楽し気に部室棟へと走っていった。

≪ツヅク≫