全校生徒より愛を込めて。 プロローグ 新生徒会が発足された数日後の放課後、引継ぎ作業の真っ只中…この日はイオリ不在でリツはひたすら膨大な資料の読込みに奮闘していた。 「なーなー、リツ、”女子”って何貰ったら嬉しいもん?」 「えっ!?ナニナニ、ヒビト君。恋のお悩み??僕なんでも聞いてあげるよ?!」 唐突なヒビトの一言に、仕事詰めで気が滅入りそうになっていたリツは天の助けとばかりに食いついた。 からかうつもりは無く、少しお節介焼きの性分からどこかお姉さんぶった口調で笑うリツ。 「ちっげーよ!!会長卒業するだろ?だからなんかさ、思い出に残るもん、なんかないかな〜ってさ」 慌てて否定するヒビトが改めて説明すると、リツはぱちりと瞬き目を輝かせた。 「わ、いいねぇ!……………じゃさ、折角だもん、”皆”でやろうよ、ソレ。」 「ん?皆…てことは、副長やリコリスも?」 リツの提案にヒビトは少し思案してから首を傾けた。 それをみてリツは少しばかり悪戯な笑みを浮かべ、人差し指を左右に振った。 「ノンノン♪だからさ、み ん な だよ!” 全 校 生 徒 ”。 でね―…、イオリさんの……―で…―って、どう?」 「やっべー!すっげ面白そうじゃん!!」 かくして、二人の思いつきは全校生徒を巻き込んだ大事件…もとい、大作戦へと発展するのだった…。
|