「忍術クラスの芳野サリュです。どうぞよろしくお願いします」
席についたままで軽く頭を下げ、さて、と首を傾げる。
「まずはやはり出店内容ですよね…。 ベタなところではお化け屋敷やゲームでしょうか? そうですね、ゲームであれば、お菓子釣りはいかがでしょうか。 お菓子の詰め合わせなどに引っ掛かるものを付けて、釣竿で吊り上げるゲームですが、お菓子だけではなく、色々なものが釣れる“不思議な釣り堀”にしても楽しいと思います。 わざと透明でない袋を使って取れる景品を包めば中身は見えないので、何が釣れるかは釣ってみてからのお楽しみ、という感じです」
人差し指を立て、まずは1案。 続けて中指も立てて、2案目に移る。
「これも、広く捉えれば体験型の出し物になると思うのですが、プラネタリウムも素敵だと思います。 簡易テントのようなものを作り、星座の形にポツポツと穴を開けておくのです。 部屋の明かりは消して暗くして、進行や解説に合わせてクローズアップされている星座の辺りだけをテントの外側からランタンのような小さな明かりで照らせば、テントの中からはその星座の部分だけが光って見えます。 スリルはありませんが、癒される空間になるかと」
言い終えると、結果的にピースサインになった手をそのままに、他の皆の案を待つ為に口を閉じた。 |