「…やらせねーよｯ！！」

―――ズゴォォォ!!!

「…サク！？」

痛みを感じるどころか、今にも爆発寸前だった魔力の塊は弾かれ、逆にアルラートの半身を吹き飛ばしていた。
バロン達とアサヒ達を隔てていた紫色の結界は砕け散る。
これまで二手に分かれ、互いを阻む結界によって声も届かなかったのだが、これでようやく合流出来た。

そしてよく見れば、貴方達の周囲は幾重にも張り巡らされた魔力の糸による障壁によって護られていた。
シルヴァン城でアサヒとキティを護っていたものと同じものだ。
爆風による粉塵がおさまると、そこにはアルラートと対峙するサクの姿があった。
名無しの剣士との戦いか、或いは今の攻撃を受けての代償か、傷だらけの姿でもなお倒れることなく、彼の武器である二つの短剣を手に身構えている。

――ククク、自ら生贄とシテ飛び込んでキタか

「…ｯ…はっ、んなわけねーだろ」

――無駄な抵抗ダ、聖女と貴様以外、全員死ンダ

「……」

――サァ、血ノ継承者ヨ、還るガいイ

その一言と共に大きくサクの体が震えたかと思えば、「ぐっ…あぁ！！」と胸元を押さえてその場に膝をつく。
まるで彼の体内から、血が意思を持って外へと出ようとしているかのように、傷口が広がり鮮血が流れる。
流れ出た血はバリスの時と同じように、細かい砂状に代わりながらアルラートの元へと吸収されていく。

「いけない！」
「ノエ、駄目よ！！」

回復魔術を施すためか、サクへと駆け出しかけたノエをアサヒの声が制した。

「サクなら、大丈夫。約束…したもの」

きっとこうなってしまっては、回復魔術をかけたところで大した効果は得られない。
ならば今出来ることは、攻撃の手を止めないこと。

「…だったら、やることは一つだ。…お前達、まだ動けるか。」

バロンはサクの様子に顔を顰めると、緊張感の籠る声で呟く。

「………。動け…ます…！！！」
「……サク様！！アサヒ様！……ぐ……アサヒ様が信じるなら、あたし達に出来ることは力の限りあいつをぶっ飛ばすだけっす！！」
「…つまり、力の限りぶん殴れ、ってことっすかー。」
「やったろーじゃん」

レンジュ、メル、タツキ、アンネマリーがバロンに応える傍ら、
「約束、したんだから…」とまるで自分に言い聞かせるように呟くアサヒの手が、剣を握る手が僅かに震えていることに、誰か気付いただろうか。

「だから、諦めない！」

アサヒがアルラートへと剣技を放つ――それを合図に全員が、再び攻撃に転じた。

------------to be continued


（SM:これにてイベント終了します。
尚、この続きは、全員参加の最終BBS（本日設置予定。予定…）にて。正真正銘のラストバトルです！
ラストバトルBBSは約1週間くらいの予定ですが、戦闘行動だけの判定のみでも結構です。
神風学園最後のイベントバトルになりますので、是非皆様ご参加ください(`･ｪ･´) ）

アルラート:「グオオオ……！」

雄叫びの後、静かに動きを停止したアルラートを見て、アサヒは剣を地面に立て大きく息を吐き出した。

アサヒ:「っ……終ったの…？」
ノエ:「……いえ、残念ですが…まだ気配が消えていません。」

アルラート:「ククク、馬鹿な人間共め。無駄ナ足掻キダ。私ノ真の力を思イシルガイイ……グ……グアアアア……！」

アルラートの叫び声と共に体がメキメキと音を立てながら変形していく…その姿は物語に出てくる悪魔そのもので悍ましく恐ろしい。
そして強大な邪気はさらに膨れ上がり、満身創痍の貴方達には思わず逃げ出したい気持ちすら芽生える事だろう。

アルラート：「…マトメテ消シ去ッテヤロウ」

その刹那、アルラートは頭上に禍々しい紫の光の波動を生み出す。
それはみるみる大きくなり今にも破裂しそうな圧力を感じさせる。

アルラート：「ニンゲンドモ…絶対的な力にヒレフスガイイ！」

アルラートの強大な一撃が貴方達を襲う。
皆、思わず死を覚悟し目を閉じ、息を呑んだ…

-----------------
4月29日（土）イベチャ終了時に最終更新がありますので、ご確認お願いします。

（SM:更新内容が残っています。日中に掲載しますので今しばらくお待ちください。）

【各PCのステータス】

・PC名：
　技能 知識 感覚 精神
　HP/TP（最大HPTP）

・天音 チカ
　技能450 知識320 ☆感覚470 精神320
　363/85（780/312）
　補助：愛（1R)
　異常：―

・志水 シュシュ：
　技能80 ☆知識570 感覚100 精神200
　190/63（475/190）
　補助：―
　異常：―

・冬葉 フユ：
　技能200 知識90 感覚70 ☆精神800
　451/132（580/232）
　補助：愛（1R)
　異常：―

・朱鷺ミソラ
　技能815 知識30 感覚90 ☆精神200
　75/50（567/227）
　補助：愛（1R)
　異常：―

--
アサヒ
　？？？
　補助：愛（1R)
　異常：―

高辻ノエ
　？？？
　補助：愛（1R)
　異常：―

【第五ラウンド】

行動順：アサヒ（NPC）（雷獣）＞★アルラート＞チカ＞ダークソルジャー（消滅予定）＞シュシュ＞ミソラ＞ノエ（NPC）＞フユ

◇アサヒ
アサヒ：「……ハッ！！」

淡く緑に輝く剣を強く握り力を込める。アルラートへと斬りつけると同時に再び大樹が恩恵をもたらす。

ユグドラシルを発動。
アルラートに665のダメージを与え、
このラウンドのみ味方全員が受けるダメージ500減少


◆アルラート
「…我身に…戻レ」

アルラートの体から触手のようなものが伸び、ダークソルジャーを捕らえ、取り込んだ。
怪しげな光と共にアルラートの傷が癒え、再び強い邪気を放つ…

「オオオオオ！」

アルラートは咆哮をあげた。
激しい覇気と共に硝煙の臭いが体に附着する。
全体に1200ダメージを与える。

アサヒはダメージを防御した。
チカはダメージを防御した。
ミソラは218(1200−482−500)のダメージ。
シュシュは64(1200−636−500)のダメージ。
ノエはダメージを防御した。
フユはダメージを防御した。

全ての補助効果が解除された

※愛、ユグドラシル効果反映済み

◇チカはルシオラを発動。
シュシュはHP254で復活した。
（消費:TP10）

◇ミソラは皇焔紅桜を発動。
アルラートに652のダメージを与えた。
（消費:TP25）

◇シュシュは空中楼閣を発動。
アルラートに684のダメージを与えた。

アルラートは倒れた
（消費:TP25）

-----戦闘終了-----

「……」

アルラートを見つめながら全員の、それぞれが取れるであろう術のパターンを何通りもイメージながら思考を巡らせる。考えろ考えろ考えろ、と小さく呟きながら、自身が取るべき行動を導き出し、

「―つっても、これも立派な攻撃の一手だ」

口角で軽く笑い、アルラートを見据えたまま、片手をシュシュへと向けた。

【ルシオラ＞シュシュ】

※防御判定

「…ん。起こせなくてごめんね、…ふたりぶん。」

繋いだ愛の魔力を放つと、可能な限りでシュシュをかばえる位置に立つ。


【魔術：ルシオラ＞※】
※対象は、倒れている人を最優先＞スピードが早い＞蘇生魔術を持っている人＞上記3つに該当ない場合はHPが一番失われている人、でお願いします。

(防御判定)

（念のため、防御判定も）