「炎龍先輩は優しいんですね。」 専売特許という言葉に目を丸くし、 匂いをかいでいる様子に堪えられず少し笑って。
「ではお言葉に甘えてお借りします。今度、生徒会室まで返しに行きますね。」 ブルゾンに袖を通して着てみると、メンズ服なのでぶかぶかで、 手が半分隠れ、袖口から指先が少しだけ出ている。 丈もスカートよりは短いものの長めで、いかにも借りました感が出ているが… 「おぉ、これは暖かいです♪」 本人は気に入ったようである…
女心という言葉には苦笑し、サボりというよりは休憩かな?ぐらいの認識で 「先輩はそのままでいいと思いますよ。 山積みの書類は気が遠くなりそうですけど、応援してますね…。 そういえば、黒猫団のみなさんも元気ですか?」 いつかの賑やかな中間試験のことを思い出して尋ねる。 |