>水菜 「1年振り、ね。 あたしにとっては、とても久し振りなのよ。」 卒業試験の話を笑顔で聞きながら 注文したアイスティーを口に運ぶ。 渋い飲み物の注文を面白そうに眺めながら 「うーん。何だか、あなたの顔が無性に見たくなってきたわ。」 同じ時間軸の水菜は元気にしているだろうか、と思いを馳せた。 久しぶりに会いに行ってみようか、と。 「――それで、黒木の卒業試験はどんな内容だったの?」 今は、過去の水菜との会話を楽しむことにしたらしい。 どの様な試験内容だったのだろうかと首を傾げた。
>揚羽 「…そうよね。やっぱり烏月よね!」 現状をありのままに受け入れることにしたお陰か 戸惑いは消え去り、一転曇りなき笑顔に。 抱きついてきた揚羽を受け止めると 現実よりも年下に見える後輩の頭を撫でようと手を伸ばす。 特に抵抗されなければ、軽く頭を撫でられることだろう。
「…ところで。烏月はこの状況は経験があるの?」 後輩といえど、ハンターとして数多くの経験を積んでいる筈の 揚羽であれば解るだろうかと尋ねる。 普通に扉から出ていけば、元の時間軸に戻れるのかと。 揚羽が解らないようであれば、将己へと視線を向けるだろう。 撫でる手は止まっていないかもしれない。
>将己 「そういう訳じゃないけれど。」 言語化の難しい感情を説明しあぐね、眉間に再度指が伸びる。 言語化を諦めかけた頃合いに聞こえた将己の感想には、 言い得て妙とばかりに無言で何度も頷いていた。
「油断、ねぇ…」 小次郎へと再度視線を向けるが 特にこの状況は計られたものではないのだろうと。 同じく早々に小次郎への警戒は解き、アイスティーを口に運んでいた。
「これ、窓開けたらやっぱり不味いですか?」 久方振りの不思議な体験に、ハンターであった頃の好奇心が 首を擡げたようで。小次郎と将己を交互に見ながら確認していた。 カフェの清算については頭になかったようで、 扉をくぐる際、自身が財布を持ってきていないことに今更ながらに気付く。 「――深海、後で返すから!」 自身の清算もお願い、と頼み込んだ。 |